OMさん(19 歳男性)
相手のことを思って相談されたらアドバイスをしてきましたが、それは「自分のため」に言っていると思いました。こうしてみたら?ああしてみたら?は結局は相手へのプレッシャーになる、確かにそうだと思います。また、思いは〝受け入れる〟のではなく〝受け止める〟という事は簡単なようで難しい事だと思いました。相手を全て受け入れるなんてできない、と先生に教えていただかなければこれからもずっとそういう意識でやっていたかもしれません。「私に話してくれてありがとう」とも今まで言った事はなかったので、余計なアドバイスよりもその一言だけでも聞いてもらった相手は十分なのかもしれないなと思いました。
NTさん(22 歳女性)
カウンセリング講座を聞いた日の帰り道、私は自分が看護学校へ進学するときに母が送ってくれた写真を思い出しました。「言ってみて。あなたの思ったこと全部言ってみて。うれしかったこと、たのしかったこと、かなしかったこと、つらかったこと。全部言ってみて。黙って聞くことしかできないけどそれでも私は聞きたいな。だから言ってみて」これは私が小学校4年生の時自分で考えた言葉でした。人権カレンダーの製作で選ばれたもので母がこれをいまだに持っていてくれたことと、あのタイミングで母が私に送ってくれたこと、いろいろ考えたら涙が出たことを思い出しました。以前の私は、誰かに相談事をされたら「何か答えてあげなきゃ、何かしてあげなければ」と思っていましたが、小学校4年生の私、は「答えを出そう」とはしていなかった。その事を思い出して、4年生の自分に教えてもらったような気持ちになりました。カウンセリング講座で学んだ、無色の心を忘れずに頑張ってやって行きたいと思います。
ゆっけさん(53 歳女性)
夜なべの会はわずか1年ほどでしたが、実に実のある講座だったと思っています。講座の合間に私自身が先生のカウンセリングを受けるという体験をしたことが、カウンセリングとは何なのかを身をもって実感できた一番のことだったと思います。
カウンセリング後、感想はおろか先生に連絡すらとらなかった期間がありました。悩みが解消されたからというよりも、日々どこかにあの日に得たことを思い返して確認し、まずはできることを淡々とこなしていく内に日が経っていたからでした。忘れているのではなく、むしろ常にそのことを意識し自分の気付きを忘れないように淡々とこなしていった結果、連絡すらする余裕もなかったという感じでした。そして迎えた夜なべの会での振り返りによって何が起きたのかを私自身が再確認したのでした。
そもそも私自身がカウンセリングを受けてみようと思ったのは、人の話を聴く際つい自分に当てはめてしまい、純粋に相手の話を聴くことができていないと感じたためで、私が抱える雑多なことを吐き出してしまわないことには、人の話を聴き、共感し寄り添えることなどできないような気がしたからでした。講座の第1回目にカウンセリングに必要な色は?と訊かれ、私は白と答えました。しかし、白が一番質の悪い色だと気付いたのです。白はどの色も不透明に変えてしまうので、どの色も受け入れるが、相手を変えてしまうからです。
そして、ロールプレイングをしてみると、実に自分のできばえは5%どころかほぼ0の状態でした。何度も「透明になって聴く、質問はしない」と言われていたのに、人を前にするとこんなにも透明は難しく、受け止めるどころか相手の気持ちを整理し理解しようという気持ちが強くなり、気付くと質問をし、黙って聴くことを全くしていなかったのです。
相手が話して話しつくすまでに必要な共感も、相手の辛い気持ちまでは何とか感じても、頭で理解しようという気持ちに囚われ、素直に透明になって聴いていない。鏡の曇りはまだまだ取れていないことに気付かされました。「素直に受け止め共感し、遠慮なく涙を流せる」そうなれる自信は何ひとつないけれど、そういう人に近づきたいと思っています。
感受性の訓練はもしかしたら一生かかっても満足いくようなところまで到達できないかもしれないし、頭で考えてしまうことをやめ心で感じること、「感情をずれなく受け止める」ということが本当にできず、そうなるゴールは実に遠く、はるか先だということに落ち込むばかりですが、もしできるようになれば人にやさしく、好ましい人間になれるような気がします。
ねこでさん(65 歳男性)
実陽さんの月一回のカウンセリング勉強会に参加して1年になります。前から実陽さんは知っていましたが、実陽さんが仕事でやっているカウンセリングとは、何なのだろうか?そんな好奇心から参加しました。心理学というと難しい専門用語が出てきて、そんなお勉強についていけるだろうかと思いましたが、始まってみると難しい話は一切なしでした。初めは、人から話しかけられやすくするために必要な態度で、笑顔、相づち、相手に対する真摯な関心などなど、自分の普段人に接する態度に反省させられることばかりでした。ほとんどの人の最大の関心事は自分のことで、相手の話はよく聞いていないのですね。
それから少しずつ、いかに自分がまわりの多くの人と関わり、つながって生活しているかを見せてくれました。人がこの世で安心して生きていられるのは、どうも自分とまわりの人との安定したつながり感があるからなのでしょう。それが家族であったり、友人であったり、となりのおばちゃんであったり、心置きなく話ができる相手の存在が安心につながるようです。
心のありようが、その人の態度として表現されます。問題行動は、すべて心の中に原因があるようです。多くの場合それが何なのかは、自分でもわかりません。それを対話(話だけではなく、相手を受け入れ一緒にいる)によって、自分自身に気づき、自分で問題を解決していくこと、それが実陽さんのやっているカウンセリングでした。